電波の出口調査

(同軸伝送路の減衰)


どうも最近、衛星へのアップリンクが弱い・・・・みたいです。
今までフツーにできたサテライターさん呼んでも「QRZ?」さえ返されぬ時も。

まあ衛星通信は、こと電信だと自局の信号がサイドトーンモニタ代わりでもあるんで、
これが弱かったり聞こえないと、そもそも送信さえままならない。

今までは、たいてい同軸コネクターのどこかに水が入っていたり、
この間みたいに、Nコネクターのコンタクトがイモ半田だったり、
自他いずれかどこかに原因が特定できたのですが、
週末が来るごとにあちこち、少しずつ調べてみても原因がどうも判らない。

で、場所が特定できないのも精神衛生上よろしくないので、各セクションごとに出口調査を試みました。
それが以下の図です。
IC-7100の出力を、点線内の通過型電力計+ダミーロード直結で20Wに調整し、これを基準(0dB)として次々付け替えて測定しました。



5D-SFAでこれだけ減衰するのはCQ誌の付録のハム手帳でわかっていましたが、実はこの20mは余裕を持たせすぎで、実際は11mもあればOK・・・
せっかく損失の少ない高い同軸を使っているくせに、高いから途中で切るのはもったいない・・・(何のための同軸ダヨ!) という矛盾したビンボー根性。
切り詰めればここで1dB改善できるじゃあありませんか。

あとはこのワンタッチセクション。 
作ったときはローテーター無しでビームパターンを天頂方向と地平方向に切り替えられると、ちょっぴりドヤ顔だったんですが・・・、
たったの50cm長で1dBもロスっているんじゃいけませんね。

同軸切替器でも0.6dBロス。 これはコンテスト以外は普段めったに出ない1200MHzを5D-SFAで共用するために入れているんで、
日常のサテライト運用では無くてもいい代物で直結できます。


以上の伝送線リストラにより、2.6dBの改善が見込まれます。 
20Wから6.3Wになってしまったものが、倍近い11.5Wぐらいまでには持ち直すんですから、ためらわずに今度の週末ぶった切りましょう!

(2021.12.13)


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