=2エレクロス八木アンテナの半自動?追尾化の実験=
思いのほか高性能ということがわかった前回の、「2エレターンスタイルアンテナ」。
異種アンテナを組み合わせてビーム特性を相補的に利用するのは我ながらいいアイデアだと思ったのですが、
GPアンテナの指向性のカバーしないところはターンスタイルアンテナでフォローできるものの、
GPの飛び自体を、ターンスタイルが強くしてくれるわけでもありません。
固定ビームながら、思ったよりシャープな指向特性を持つ2エレターンスタイルアンテナ、
利得もGPと比べると格段にあり、モービル基台にも載せられる軽さ。
「なんとかこれ、ローテーター使わずに自動で衛星追尾できないだろうか?」
ここからいろいろな事が始まります。
(その1) 何を使って回すか?
とっさに思いついたのは「ぜんまい」でした。 ところがあんなに昭和のおもちゃに使われていた(令和のおもちゃにも当然ある?)「ぜんまい」
ネットで調達しようとしても全然でてこない。
でてくるのはなにやら精密機械のカテゴリに入っている1コ数万円のものばかり。
次に思いついたのは今時の、「RaspberryPIを使ってマブチモーター+タミヤのギヤボックスで自動追尾」させること。
アンテナ直下にRaspberryPIを置いておけば、スマホからWeb経由でモーターを制御できるのでwi-fiが届く窓の外なら
ケーブル要らず!
でも考えたら前段取りがすごい。 だいたいPythonとかLinux系の言葉ぜんぜん知らないし・・・。
そうこうして、ある日100均で「ほぼぜんまい」が200円で売っているのを発見しました。
これです。
これを手に取り、レジで支払いするまでにやった脳内情報処理は以下の通り。
①キッチンタイマーは、1周つまり360°で60分。 これはニワトリでなくても同じ。 180°なら30分。
②一方現在の低軌道衛星は高々AOS(出)からLOS(入り)までだいたい15分。 つまり方位角180°で15分。
③ ということは、何らかの方法でこのニワトリさんの回転を半分にしてやれれば、これは衛星の自動追尾に使える!
そこまで考えて、まあ2000円ならもっと考えましたが、なんせ200円です。 あとは買ってバラしてゆっくり考えましょう。
こんな感じです。 輪軸はプラスチックの歯車がはまっているだけなので心許ないですが、なんとかなるでしょう。
カチコチ動かしながらジーと見ていると、どうもここの16山の歯車が時計のスピードを決めているようです。
(あとで調べたらこれは「ガンギ車」という時計の心臓部だそうです)
この歯をツメ切りを使って半分に間引きました。
結果は・・・・成功です。 計時したところほぼ2倍の速度でタイマーは進むようになりました。
これで15分で方位180°の首を振る根本の動力に目途がたちました。
ただ、最初歯が15山だと思って1カ所変な落とし方をしてしまい、ニワトリ君は以後不整脈になってしまいました。
(つづく)
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