それにしてもここ半年は、無線でモールス符号を打つ字数よりもたぶん圧倒的にテープに点字を打つ(刻印)字数の方が多いこの私・・・・・指が疲れた時など、よくこう思います
「時々でいいから、誰かこの打刻を代わりにやってくれるヤツは居ないかなー? 給料は出せないけど、ちょっとあったかい部屋と・・・あとソバでも食べさせれば黙々と働いてくれるようなヤツ・・・?」
「働き方改革」が当たり前になって、すでに死語になりそうな今ドキ、そんなことやってくれそうなヤツは・・・
居ました!

10万円ぐらいするものだと思っていたのですが、最近150mm角までのミニサイズなら何と3万円以下で買える(ありゃりゃ今使ってるE社の2Dプリンタより安いじゃん!)とあって、私もブラックフライデーのお買い物に手を染め(?)このほど入荷しました。
さっそく、初心者用3Dモデリングツール(3D-CADの簡易版)のTinkerCADを使って、今まで「テープライター+点字テープ+テプラ」というテープ貼りまくりのハイブリッドだった「点字モールス一覧表」を試作してみました。 何でもそうですが、ハッキリした目的をもって道具を手に入れると、一点突破的に学習してしまうので、自分でもびっくりするぐらい早く使いこなせるようになるものです。

さてこの「助手」は働き者ですが、あまり寒い環境だと台面の温度(60℃ぐらいになる)が保てないらしくNGだそうです。 働いている間は常に、フィラメントと呼ばれる「乾麺」を一筋啜っているのですが、時折キャリブレーションなどで余計に出したカスを、勢いよくポテンと山羊のフンよろしく横に飛ばしてくれます。 その都度タマ拾いにいく羽目になるので、この処理に必要なオプション部品とか売ってるのかと調べたら・・・無い。
これは印刷してつくれと。 黙々仕事はするけどトイレの世話をしないといけないわけです。 で、まずこのウンチを跳ね返すバックボードを3Dプリントするのが初仕事になりました。
JIS点字の規格はJIS T0921に定められています。 これによると点間距離は2.0~2.8mm、点の直径は1.0~1.7mm、高さは0.3~0.7mmと決められていて、一応はこれに準拠して作ることにしました。
セットに付属しているのは0.4mmのノズル。 でも点字ぐらいのサイズの文字は、この標準径のノズルでは解像度不足で判読できない・・・と、とあるYouTube動画で示されていました。 でも点字の一点の直径を1.7mmとすれば、ノズル径の4倍あるわけです。 たとえればマヨネーズの絞り口でゴルフボール大の半球を描く・・・そんな感じですから、まあ描けないことはないんじゃ?と思いとりあえずやってみました。
モールス符号の方ですが、短点は点字と同じ直径1.7mmにし、スペースは少し広めに2.3mmにしてみました。 そうすると短点1つがスペース込みで4.0mmの符号長になります。 長点は短点の3倍ですが、それよりやや長目に5.7mmとし、スペースの2.3mmを加えて8.0mmが長点の符号、ということで描いてみました。

これを、助手の3D-CADは「ネギ坊主形のピラミッド」として描いてくれます。 彼は乾麺を呑み込みながら、これを温度250℃ぐらいに溶融させて1層1層重ねて行きます。地道な作業ですが実に正確にこなします。
出来上がった「点字モールス一覧表」は、ぱっと見は大変よくできました。 ただ、指でなぞると痛い・・・・粘性があるフィラメントをちょっと出しては止めているんで、かなり大量に糸を引いていてトゲトゲしているようです。 点字が認識出来るかどうか?の以前に「指先でスキャンするととにかく痛くて指が荒れる」
うーん残念ながらこのままでは、ちょっと実用にはならないようです。 今より1サイズ細かい0.2mmのノズルを導入して、もう少し精細な半球が描けるといいのかな?
と思いつつ、#1000番の紙ヤスリを表面に当ててみたところ、あらびっくり! たちまち充分触読に耐える品質になりました。 やっぱり、「ものづくり」って、最後は人の手で確認して仕上げるプロセスが必要なんですかね? (2025.12.8)