Bellと関係 なくもなし

このページでの「+14db」はdeafblindの意味ですので、bは大文字ではありません。 「dB(デシベル)」は電話を発明したAlexander Graham Bellの人名に由来しているので、これを小文字で書くとは失礼じゃないの?という向きもあるやも知れません。

ですから「カンケーありませんので」で済ませたいのですが、実はこの偉大な発明家グラハム・ベルは、本業というか家業は「ろうあ教育者」なので、deafblindとは無関係ではないのです。

「ろうあ教育者がなぜ電話?」と思うかも知れませんが、ベルはドイツの科学者ヘルムホルツの「電磁石で音叉を鳴らす」ことをヒントに、逆に「異なった周波数の音叉を並べて、ピアノの鍵盤のように、それぞれの振動で電流をON/OFFすれば、電信で音楽を送れるだろう」という「音楽電信機」の研究を進めていました。 そして一方で、「ろうあ者に『音』をみせてやりたい」という、ろうあ教育者としての思いから、ろうあ者の耳の穴に麦わらを挿して、それを煤付きのガラス板にピックアップして波模様を描いたりしていました。 この2つが結びついて、広帯域の音声に対し振動する皮の振動板と電磁石を組み合わせることで、音声を電気信号に変える「電話」の発明に至ったのです。

ですから、ろうあ者の存在が電話の発明にかかわっていたわけです。

そして、1本の電線に同時に多くの音叉の音を載せてマルチチャンネルでの電信を可能にする「音楽電信」の発想は、いま形を変えてFT8という、ろうあ者でも楽しめる電波形式として多く使われています。 こんな使われ方をするとはベル自身も思っていなかったかも知れませんね。

ちなみに今年はグラハム・ベルが1875年に電話を発明してから、ちょうど150年目にあたります。

(参考文献:北山敏和 よくわかる科学史 http://ktymtskz.my.coocan.jp/S/telecom/tel2.htm )

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