(アンテナも「バグ取り」をしましょう)
先のQFHアンテナはそういうわけで短命で、ヘンテナ(3rdジェネレーション)に取って代わられたのですが、
しばらく屋外に設置しておいて解体のため室内に取り込んだところ、大変なことになってしまいました。
それは・・・・小バエです。 小バエが10数匹、トロイの木馬よろしくQFHのブームであるVP16の中から出てきて、家の中に散開してしまいました。
完全に退治できたのは2日後。
市販のUHFの八木アンテナは何故あんなにエレメントが短いのに、いちいちキャップをしてあるのか?
その理由が、この苦労でやっとわかりました。
さて1200MHzは144MHzを中間周波数にして、コスモウエーブさんのトランスバーターで運用しているのですが、
いっしょに買ったバタフライアンテナは、ややゲイン不足気味であまり遠くまで飛びません。
そこで、自己記録最多エレメントとなるアンテナを自作しようと決心しました。
しかし、ハエのトラウマからあまり先端の多いアンテナは作りたくない・・・・
というわけで、ループアンテナということになりました。
今回は、前に作ったことのある430MHzのスイスクワッドに準じて、オール銅パイプで作ることにしました。
ネジで留めるところは、ほとんどありません。 ほぼハンダ付けで組立てます。
製作データはネット上にいろいろ転がっている中から、15エレループのものを選んできました。
13エレにした理由は、単にホームセンターで売っている銅パイプが1mだったので、それから作れるのがせいぜい13エレ程度だったことによります。
まずは4mmΦの銅パイプをコンロであぶって、仕上がり径に近いガラスびんに巻き付けて曲げます。
これを所定のループ長に切りそろえます。
本来中心線で周長を測りたいところですが、それができないのでリボンスケールをつかって内径と外径を測り、その平均値で合わせます。
これで導波器10本、輻射器1本、第一反射器1本分の銅パイプを「限りなくOに近いC形」で作ります。
・・・侍プリンのびんでした。
次はブームです。 やはり銅パイプの10mmΦを使いますが、正確に横にそろった穴を12コパイプの両側面に明けないといえません。
しかしスライドテーブルのあるボール盤など持っていないので、ここは先のQFHアンテナで学習した「型紙」をつくりました。
無料CADソフトの「RootProCAD」を使って原寸大で出力。
紙の厚さとのりしろをみて11mmΦ相当で描いてちょうどいいくらいでした。
これを糊で銅パイプに貼って、ドリルで穴をあけます。
まず下穴を1.5mmのステンレス用キリで芯にあけてから5mmのキリで拡げます。
ここにエレメントを通して、両端を1サイズ下の銅パイプを5mmぐらいに切ったのをサヤ管にして結合し、ハンダで固めて、
じゃらじゃら山伏の錫杖みたくなったのを、垂直をみながら、導波器はエレメントの切れ目をブームのパイプの中になるようにして
これまたハンダで固めます。
輻射器は逆にギャップ部分を上に出して同軸を直接接続します。
最後は第2反射器。
アルミのパンチング複合板を切り出して、切り出した銅板をブラケットにして取り付けて、
できあがりです。
ブームの両端にエポ接着剤を詰めれば、コバエの入る余地は、もはやありません。
高級住宅街ではありませんが、やっぱり「山の手」とくれば「ループ」なわけで。
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