430MHzスイスクワッドの製作

回せないけど、せめて固定ビームでも・・・


アパマン住まいには、HF帯のビームアンテナは夢です。

電車やマイカーの車窓から、沿線でときどき
それこそ手が届かない高さに、値段的にも手の届かないアンテナを上げている同好の方のお宅を見つけると、
流れる景色の中、ただ指をくわえて見ているだけです。 (おっと安全運転・・・)


という私も、まったくビームアンテナ歴がなかったわけではなく、
大学生の時は実家に21MHzのスイスクワッドを上げていました。
今はもう無い、タニグチ・エンジニアリング・トレイダーズ(TET)社の製品で、
当時DXペディションのあったカリブ海のKP4AM/D(デセチェオ島)を2回コールでとってもらった
すごく飛びのいいアンテナでした。

今の家からじゃHFのスイスは無理だが、430MHzなら小っこいからスタックでいけるんじゃ?
ビームなんか丹沢か富士山の方に向けときゃ(まあどっちも見えないけど)、
手前の団地で乱反射して、びっくりするところへ飛んでいくかも?


そんな浅はかな思い込みでも、アンテナを作る原動力にはなります。
430MHzのスイスクワッド(ちなみにスイスのHB9CV局が発明したのでこう呼ばれます)といえば、
神奈川ハムセンターのMK-4WDがありますが、それだけ大枚をはたいて果して使い倒せるか
ちょっと自信が無く、またちょうど「売り切れ。 次回出荷未定」だったので、
えーい自分で作っちまえ! ということになりました。



スイスクワッドの要はやっぱり扇の要のココ。 
昔の既製品も、アルミの削り出しだったり絶妙な形状のクロスマウントだったり・・・今思えば苦心が感じられました。
ここでは、銅パイプを相じゃくりして平面クロスさせて、両面から銅ワッシャをビス留めして締め付けました。



曲げ加工の良否が全体の精度を左右します・・・ので各部材は曲げ箇所は1カ所。
なるべく正確に45°曲げてから、角を基準にして両端を切り揃えます。



エレメント交差部は半田付けして一体化。

給電部を作ります。 M-R角座と銅パイプを使いました。
この銅パイプ加工、最初はピラニアン鋸で切っていましたが、かったるくなってしまい途中からニッパーでバシバシ切ることに。
すっかり切れ味が悪くなってしまいました・・・・


ちょっと得体の知れない形ですが・・・


これはフェーズラインの付け根になります。

 
この2つを合体させます。

 
エポキシ背着剤で隙間を埋めます。 M-R角座の回りにはマスキングテープで土手をつくります。 


こんな感じで足元からエポキシ接着剤が吹き出したところで一旦固めます。
「生コン打ち」の時によく使う手ですが・・・・(知らんか。)

??ムムッ、この腕の長さだと寝かせて取りつけ垂直偏波にできない・・・・ 設計ミスです。

 
長さを長くして作り直しました。


今度は横からエポキシを流し込みます。 芯線のT字部分はあらかじめハンダ付けします。
一応ナンですがこの銅パイプの同軸部分は計算上50数Ωになっています。

  

エレメントを取り付けた交差部と一体化します。



VP13のソケットにMーPコネクタをつけたものと一体にして、モービル基台にとりつけて飛びを確認してみます。
もちろんこの状態では走行できません。
関東UHFコンテストに出てみましたが、関東一円だいたいよく飛びました。(関東UHFじゃ、あたり前か・・・)

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