もう一昔以上前のことです。
由木東のクラブで「みんなでアンテナを作ろう」ということになり、特殊な材料なしで1日で作れ、再現性がよく、そこそこの性能がある430MHzのアンテナということで選んだのがこの「ヘンテナ」でした。
ハンディ機にホイップアンテナだけでラウンドQSOをするには、由木東地区はちょっとエリアが広く、(直線距離はそれほどでもないが、とかく「壁」になってしまう団地が多い)ベランダにちょっと出して、面倒なアース要らずで垂直偏波が出せるので、みんなで作ってみることにしました。
言わずと知れた、アマチュア無線のアンテナの中でも最もアマチュアライクなこの「ヘンテナ」。
昭和50年ごろこのアンテナを「ラジオの製作」誌に発表したのが、JH1FCZ大久保OMでした。
残念ながら昨年夏に他界されたのですが、私自身はかつて氏の発行されていた「Fancy Crazy Zippy」誌を
休刊まで毎号楽しく読ませていただき、無線自作の通信教育の師のような方でした。
「作り方」はかんたんですから、「何で作るか」がポイントです。
430MHzだと小さいので、その時のあり合わせの材料で作るのがこのアンテナ作りの妙味なのかもしれません。
今回はエレメントにV線(1.6mm)の切れ端を使いました。 支持材はVP13の端材です。
でもIV線をそのまま使って、縦35cm×横11cmの四角形を作ってもヘニャヘニャになってしまいます。
まずはIV線の被覆を全部むいて、2m数十センチ用意し、半分に折りヘアピン状にします。
多少体重をかけても動かない、細めで丸い支点を探してそこに銅線を引っかけます。
片端の2本の銅線を、電動ドリルのチャックにかけて締めます。
これを踏ん張ってテンションをかけながら、ドリルを低速で回転させます。
適当なところでストップして出来上がりです。
毛利の「弓矢の遺訓」ではありませんが、2本よじるだけで曲げに強くなるだけでなく銅線のクセがなくなり
きれいな直線材が得られます。
12年庭に放置しておいてもこの通り。 SWRも低く今でも使えます。
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