(クラブのハムログをみんなで共有する)
アマチュア無線のクラブ局というのは、常設の無線室があったりなかったり、アンテナもあったりなかったり、さまざまです。 当クラブは幸い、他と共用ではありますがクラブシャック(無線室)と屋上にアンテナもあります。
そういうわけでクラブでのアマチュア無線の運用は、いつでもできますから、知らない間に業務日誌(ログ)の記帳は増えます。 また市民センターでは夜間の運用ができないため、リグを持ち出してメンバーの自宅から移動運用することも時々やっています。
そんな時、いちいちログをメモって、後日クラブ室に行き転記するのも二度手間で面倒です。 そこで、当クラブでは「Turbo HAMLOG」のデータをbox.com上に置き、このデータを各自のハムログで参照/更新できるようにしています。
え?「それってクラウドストレージの話だろ? 空中線の話じゃねーぞ!」って? いやいやー「空中に置いて情報をひろう」 まさにアンテナ。どストライクやないの。
で、
ハムログのクラウド化にあたっては、RyorskさんのHP(https://ryorsk.wordpress.com/2017/01/03/hamlog_data_cloud/ )の方法を使わせていただきました。
以下、若干の補足を含めて方法を記します。 ご参考まで。 (これに拠り発生した事象については一切責任を負いません)
(1)まず、任意のクラウドストレージサービスでアカウントを作成します。 無線クラブで一つ作っておくと活動写真の共有などで何かと便利です。
無料アカウントで OK ですが、メールアドレスが必要です。 また、ファイルを自動的に同期する機能を必要とします。
boxだとアプリ「box drive」 を導入することで可能になります。 (https://www.box.com/ja-jp/resources/download)
(2)クラウド上にハムログデータの保存先フォルダを作成します。 このフォルダをクラブ員で共有できるように設定(招待手続き)をしておきます。 当クラブのboxではもう一つ上位のフォルダ「JQ1YLK」以下を共有しています。(下図)
(3)HAMLOG データのコピー
次に,自分の PC で HAMLOG を立ち上げます。 いつもつけているログが立ち上がります。
<オプション>メニュー => データの保守 => 別コールサイン用にインストール を選択します。
ここに、JQ1YLK を入力し、OK としたら Hamlog をいったん閉じる。
これにより C ドライブに「JQ1YLK」という HAMLOG 用のフォルダができ、同時にデスクトップに Hamlog のアイコンによる別ショートカット「JQ1YLK」が生成されます。
この、デスクトップ上にできた別ショートカット「JQ1YLK」をいったん開きます。
すると
「C:\JQ1YLK\HAMLOG.hdb が作成できません。 新規作成しますか?」と出るので OKとします。
いったん開いたらすぐ閉じます。(この操作により ini ファイルその他が生成されます。 自局と YLK 方を使い分ける場合必須の重要な手続きです)
HAMLOG を閉じたら、エクスプローラーで保存先フォルダを開きます。 C:\JQ1YLK
開くことができたら,その中のうち次のファイル:
1. Hamlog.dx?(?には 0 以上の数字)というファイルすべて
2.Hamlog.fdt
3.Hamlog.hdb
4. Hamlog.mst
を,削除します。
(まちがって C:\Hamlog 下にもある同ファイル群は削除しないように。 こちらはオリジナルの大事なログです!)
そうしてから再度 HAMLOG(JQ1YLK の方です)を起動すると・・・:
こんなエラー警告画面が出ます。
さきほど一瞬Hamlogを開いて、C:\JQ1YLK下にHamlog.iniファイルを作って、そこのデータを開くように設定したのに、すぐ削除してしまったから当然です。 Hamlogさんご立腹です。
案の定、Hamlogさんはこの落とし前をつけろとばかり、データの在処教えんかい!と聞いてきます。
ここで(1)で入れた「box drive」の出番となります。
box driveが入れてあると、ここでファイルの場所としてbox上のフォルダを指定することができます。(=プルダウンの中にboxがローカルドライブのように表示される)
そして、JQ1YLKのbox上のHamlogフォルダの中にある、hamlog.mstを指定すれば、以後はクラブ員で共有しているクラウド上のハムログフォルダが開く、というわけです。
なお無料のboxは、ファイルを上書きしても1つだけ直近のバージョンのデータを保持している(有料だとたくさん残してくれる)ので、間違えて上書きしてもちょっと安心なのがメリット。
(でもマメにクラウド上に別名でバックアップはとっている)
ちなみに私が常用しているログはLOGGER32で、こちらはアプリ内でログの切替ができます。 で、同じようにクラウド上にLOGGER32のデータセットLOGBOOK32を置いて共用できるのか?と思って試してみたら、ドライブのプルダウン選択には実装されているドライブしか出してくれませんでした。 (残念)
個人的には長年連れ添ったLOGCSWが一番使いやすかったんですが・・・未練QRM。
(2023.10.20)
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