狭い車内でアマチュア無線をやろうとした場合、運用スタイルによって必要なスペースが変わってきます。
■決まったローカル局と交信する場合
相手のコールサインは判っているので、時間さえ覚えておけばログをつける必要も無し→無線機を置く場所だけあればOK
■不特定多数の局と交信する場合
上記に加え、紙ログ帳またはパソコンで交信を記録する必要がある。
■電信で交信する場合
さらに、電鍵をどこかに固定しておく必要がある。
■CQを出す場合
念のため、パソコンで記録する場合でも、パイルアップになってしまう時を想定してメモ帳は必要。
そういうわけで、移動運用でサテライトCWをやろうとすると、以上のモノを全部置くために、
それなりに運転席にきちんとした無線用デスクトップがほしくなります。
今回、自宅の無線机を奥行き30cm→40cmに拡張したので、幅30cmの板が余りました。
(こう書くとエラく狭い机のようですが、スチールラックに跳ね出しとしてつけているので、実際は90cm相当の奥行きになります)
(BEFORE) 左のノートPCはもう半分落ちかけています。
(AFTER) 手前に10cmだけ広くなりました。
この余った天板材を使って、車載用のデスクトップを作ってみました。
載せるものはすでに決まっていて、幸いそれほど場所はとらず重さも大したことはありません。
・無線機 = IC7100のパネル部分
・パソコン = ASUSのE210MA(11.6in)
・電鍵 = SUR工房 CIR-45D
やることは至って単純です。
(1)まず天板を半分にします。(奥行30cm×幅45cm)
(2)これにスリット状に穴を明ける。 これだけです。
ただし、このスリット穴は板に垂直には明けません。
このスリットはハンドルを「差し込む」ので、ハンドルの傾斜に合わせて斜めの穴を明けます。
最初にガイドとなる穴をいくつも斜めに明けてから手ノコでこれをつなげます。
この辺はかつて真空管のシャーシ加工の経験が生きました。
(貧乏少年の当時の私は、リーマーもハンドニブラーも持っていなかったのです)
これをハンドルに挿すだけで充分テーブルとして用を成すのですが、多少ふわふわするのと、
ウレタンのステアリングに痕がつきそうでちょっと心配です。
そこで、捨てるはずだったスリットを抜いた部材を使って「つっかえ棒」を作ってみました。
「ありさし」を作ってT字形にして、マジックテープで板の裏にくっつけます。
ヤスリとカッターで面取りしてクリアニスを塗って「モービル・デスクトップ板」の出来上がり。
なんとなくパン用のカッティングボードを思わせる感じです。
ポイントは、使っている最中にクラクションが鳴らないような納まりにすることです。
下から見上げるとこんなです。 ハンドルをやや切った状態でロックをかけて使います。
使わないときはこんな感じ。 マステ等でスリットの中に収めておきます。
アングル棚のジョイント用パーツを両面テープで貼り付けておけば、電鍵CIR-45Dは強力磁石でパチンと留まってくれます。
リグがセパレート形のIC-7100なのでかなり助かりました。
写真で積載総重量は1.6kgぐらいです。
これで、車で移動して電信でCQを出してもジタバタせず対応できそうです。
(2022.4.29)
(2024.8) 最近スリコに行ったら、これとほぼ同じプラスチック製の台を売っていました。(早く言ってよ~・・・ さてはマネされたか?)
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