50MHzの「走れないモービル・ヘンテナ」 (1:デザイン)


私のモービルハム歴はけっこう長くて、集合住宅居住当初は「ほぼ電波を出すのは車から」でした。
最近は休日に気が向いたら、見晴らしのいい近所に走っていってモービルホイップで出る程度です。

ところで、「モービルアンテナ」というと垂直系の、車体をアースにしたアンテナが大部分、というか
知る限りでは市販のモービルアンテナは全部がホイップなど垂直系アンテナです。

なんで水平系アンテナが無いのか?
疑問に思った人はいませんか?

         -・・・-

さて、話は変わって・・・

私は車を走らせながら無線をしたことがありません。
走らせながら交信できるのは、①電話で かつ ②周波数を動かさない かつ ③フツーにSN比のよいFM波

これを全部満たしているのはVUのトラック野郎ぐらいでしょう。
コールサインも言わないで、免許あるんだかどうだか? 知ったこっちゃありませんが、
頼むからサテライトバンドは出ないでよね!

脱線してしまいました。
話を戻します。

         -・・・-

まずモービルアンテナに垂直系しかないのは、
1つには水平偏波だと、最低でも8の字の指向性が出るので
走行して向きを変えながら通信するには不向き、というのが当然あります。


もう一つは法令の規定です。

道路運送車両の保安基準 第18条 車枠および車体のところに、
『別添22 外装の電波送受信用アンテナの技術基準』という規定があります。
https://www.mlit.go.jp/common/000190450.pdf

これによると、
「バンパー基台」は車体の水平投影面の最外縁から突出するから使用NG」
(確かに、最近見かけませんね)
「トランクリッド基台」は車体面からの突出は70mmまで」・・・
そして
「地上高2m以下のアンテナ各部は、2.5mmRより鋭利な部分があってはいけない」・・・・
などなど。

へええ、そうだったんですか!
コレは車で無線する人は目を通しておいた方がいいですね。

とくにR<2.5mmの規定なんぞ、
危害防止の観点からだと思われますから、これは停車時限定でアンテナを使っていようが適用されると思います。
気をつけないといけませんね。

だた、この『道路運送車両の保安基準』には、アンテナ自体の強度については規定がありません。
(いいのかな?)




まあ、以上のことを念頭に、今回は私がかつてアマチュア無線デビューに先立ち作った最初のアンテナ、
「50MHzヘンテナ」
その車載バージョンを作ります。

①アンテナ高さはフルサイズ、つまり50MHzの半波長=3mにします。 この時点でトランクリッド基台からはH=3.8m超となるので走行できません。
②アンテナ幅は30cmとします。 深い意味はありませんが、ドアミラーを畳まない状態の突出幅と同じぐらいにしておきます。
③非接地型アンテナなので、モービル用トランクリッド基台にはM-Pコネクタを使って単に固定だけ。電気的には意味なし。
④エレメントは風であまり揺れるとSWRが不安定になるおそれがあるのと、設置時の再現性をよくしたいので銅線は今回避け、アルミパイプで作ります。
⑤設置と撤収時は回りに迷惑がかからないように、「上に伸ばしながら組立てる」構造にします。


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