クラブ局用オールバンド・デルタループアンテナ

(・・・本設は仮設ほど甘くない!)


自慢ではありませんが、アンテナチューナーは3台所有しています。
うち2台がSGC社のSG-230で、その一つは以前から自宅で使っています。 
もう1台はオークションで新品がけっこう安値で出ており、この位なら出してもいいかと思い、ちょっとだけ高値をつけたらあっさり落札できたもの。
そして3台目は、ICOMのAH-4です。

このAH-4は小型で1.9MHz二は対応していませんが、代わりに50MHzにも使えるので移動用には適しています。
IOTAバケーションでT88とか8Q7、V63、FO8、VK、KH2・6・0、いろんなところに持っていきました。

どこへでも設置できて、どのバンドにも出られるようにするのが、こういう運用時のポイントです。
それには、「アース頼り」のアンテナシステムとは一線を画さねばなりません。

AH-4の取説を見ると、「使用周波数帯の半波長の整数倍になるような長さのエレメントは使用しないで」と書いてあります。
素人考えだと、半波長ダイポールに対する1波長ループアンテナ的な思い込みで、
「んじゃ、ループならその倍で、1波長の整数倍はダメってこと?」と考えがちですが、
このアンテナチューナーは非平衡アンテナ用で、アース側は何もマッチングしてくれません。

どこかの本に、「ループアンテナに使う時は、半波長の奇数倍は避ける」との記述がありました。
空中線研究所を名乗りながらアンテナ理論には疎いので(笑)、まあ何となく電流腹の分布をイメージすれば確かにそうかな?と
思い、破損リスクを下げる意味でそれには従うことにします。 (・・・・空中線研究所・・・・。)

3.5MHz帯は短縮率があまりに大きくなりそうなのでここでは除外し、
7~28MHzでちょうどいいループの長さを探します。




そうすると13m、17m、20mぐらいがどの周波数に対しても「半波長の奇数倍」をかわすようです。
手持ちの釣り竿の長さと相談して13mにします。

・・・というか、そうして2000年ごろに個人局でこのアンテナを作ったわけで、今回はその再現です。



IOTAで使っていた伸縮ポールもそのまま使って建ててみました。
スプレッダのマウントは既製V形ダイポールのマウント部分を使っています。
軽量ですから倒れることはないでしょう・・・・と高をくくっていたら・・・



台風の翌日、クラブメンバーから「アンテナが折れた」との一報が!



無残にもグラス竿が根元からへし折れてしまいました。
剛性が小さくなってすぐのところは真っ先にヤラれてしまいます。
それにしても、エレメントで連結されていたおかげで、近隣にこの釣り竿が飛散せずに済みました。
あやういところでした。


・・・・それから数ヶ月後、こりずにスプレッダを新調して再建します。
多少は剛性が急激に変わらないように細工をしてみました。




実は、この釣り竿がしなると、先端が三角形のエレメントで拘束されているため、図のヒートンの直近の竿の細い部分が折れることも過去ありました。
そのため竿の先端部にはやや粘性の小さい接着剤を詰めました。



まあこれでその後4年間持ちこたえましたから、補強の効果はあったのでしょう。(ご苦労様でした)



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