あの「ぜんまい」は今何処へ?(3)

=2エレクロス八木アンテナの半自動?追尾化の実験=


それは、アンテナもろとも逆立ちさせることで解決します。

アマチュア無線のアンテナと言えば、ふつうは家の屋根一杯に、または鉄塔の上にテレビアンテナの数倍はあるようなものを想像しますが、
アマチュアの衛星通信で使われるアンテナは、一昔前のアナログ地上波や現在の地デジアンテナ程度の周波数、具体的には145MHzと435MHzなので、
アンテナのエレメントの長さは1mとか35cm程度、これが2エレメントだと2本並んでいるわけです。
これなら、テレビ用の十数エレメント並んでいるのとは違い、ちょっと工夫すればキッチンタイマー駆動で回転できなくもありません。

とはいうものの、逆立ちさせて回転させるわけですから、直立した棒の上に乗ったアンテナをくるくる回すのを、ちょうど高速道路の街灯のように
J形がひっくり返ったような棒の先端に逆立ちしたアンテナをくっつけ、くるくる回すわけです。
ですから回すモノが小さくて軽いにこしたことはありません。


回すモノはすでに「2エレのターンスタイルアンテナ」ということで決まっています。
ここでは、その大きい方(145MHz)のターンスタイルアンテナのエレメントを、ローディングコイルを入れて短縮してみます。

HF帯のアンテナでは、ローディングコイルはアンテナの長さを短縮する常套手段ですが、
145MHzぐらい波長が短くなるとあまり実例は見かけません。 最初から短いので必要ないわけです。

一応計算でどのくらいのコイルをいれたらいいか、アタリはつけられるのですがここは実験しながらやってみます。

  

①まずアンテナ解析ソフト、MMANAを用いて、通常ならエレメント長約1mのところを半分に短縮して全長50cmに設定します。
②次にそのエレメント上に場所を決めてローディングコイルを入れたとして、どれぐらいの定数(インダクタンス)のものが必要か計算させます。
③そして出てきた数字を、ある一定の作りやすく巻きやすい条件にしてやって、ソレノイドコイルの計算式に入れて巻数を決めます。
④そしてその通りに巻いたコイルを作って、アルミパイプとつなげてエレメントをこしらえて、アンテナアナライザで同調周波数を測ります。
⑤あとはそのズレをもとにコイルを作り直して目的の周波数にしてエレメントが完成します。


(単体での垂直面ビームパターンは、なんだかシルクハット形? 右側)

コイルには銅線を使う分、少しだけ重くなりますが、アルミパイプの長さは半分になり軽くなるのと、なにより前の「J形」が小さくて済みます。

まだ組立ててはいませんが、おそらくこのアンテナのボトルネックは「にわとりさん」になるはずです。
その辺を考慮しつつ、設計しながら作ってみます。


(つづく)

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